ナイアガラオンザレイクでメープルシロップについて学べるお土産屋さん

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メープルシロップのお店。小さいので見逃してしまいそう・・・

ナイアガラ・オン・ザ・レイクを歩いていると、街並みのかわいさに気を取られて、ついワイナリーやカフェ、雑貨屋さんに目が行きがちです。
でも今回おすすめしたいお店はQueen Street 沿いで立ち寄った White Meadows Farms の Maple Syrup Store はメープル農家さんが直営店で出店しているお店です。スーパーなどで売られているシロップはどこの農家かわからないし、もしかしてブレンドされているかもしれないし、もしかしたら人工シロップの混ぜ物であるかもしれません。
しかし、ここのメープルシロップは100%安心できるお店です。
そして、スタッフの女性のメープルに対する情熱が強く、私はとても感動しました。
お店のドアを開けると、メープルシロップやお菓子を買えるお土産屋さんのようなイメージですが、中に入ってみると壁一面に並ぶメープルシロップ、実際に使われる道具の展示森の中にいるような演出まであり、ちょっとしたメープルシロップの博物館のような空間でした。

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床見て!落ち葉のプリントがしてあって、まるで森の中みたい
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一番上の左から2番目の写真はメープルタフィーだよ

White Meadows Farms 公式サイトでも、ナイアガラ・オン・ザ・レイクの Historic Old Town、27b Queen St, Niagara-on-the-Lake, ON L0S 1J0 にある店舗として紹介されています。営業時間は変更されることもあるので、行く前には公式情報を確認するのがおすすめです。

お土産屋さんの奥にある、メープルの学び場

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メープルシロップのとても美しいグラデーション

店内でまず目に入るのが、光に照らされた小さなメープルシロップのボトルです。

Golden、Amber、Dark、Very Dark と、色が少しずつ濃くなっていく様子が一目で分かります。棚に並んでいるだけなのに、まるでカラーセラピーの色見本を見ているようでした。

これらの4種類のメープルを試せることが紹介されています(今シロップ収穫真っ只中で、ベリーダークは今回試飲できませんでした)。観光中にふらっと入れるお店で、ここまでメープルの違いを見せてくれる場所は、意外とありそうで少ない気がします。

Golden、Amber、Dark、Very Dark の違い

メープルシロップの色の違いは、単に見た目だけの話ではありません。
カナダのメープルシロップには、Golden Delicate Taste、Amber Rich Taste、Dark Robust Taste、Very Dark Strong Taste という色と味わいの分類があります。早い時期に採れるものは比較的淡く、繊細な味になりやすく、シーズン後半になるほど色が濃く、キャラメル感や力強い風味が出やすいと説明されています。

ここで覚えておくと面白いのが、濃い色だから糖度が高い、という意味ではないことです。ベリーダークはまるで黒蜜みたいな味ですが、ねとねとしてません。

カナダの Grade A メープルシロップは、可溶性固形分が 66.0% から 68.9% の範囲である必要があり、比重計や屈折計で確認されます。色のクラスは、糖度そのものではなく、光の透過率などで分けられています。

つまり、Golden と Very Dark は甘さの強弱というより、香りや風味の個性の違いとして見ると分かりやすいです。パンケーキに軽くかけたいなら明るめ、料理やソースに使いたいなら濃いめ、といった選び方もできます。

棚の扉に残る、タップ穴の跡

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見えるかな?黒い丸の部分がタップの穴を開けた箇所

今回とても印象に残ったのが、棚の扉に使われていた木材です。

よく見ると、丸い穴のような跡がいくつもあります。これは、メープルの樹液を採るためにタップされた跡だった可能性が高いものです。

メープルシロップは、木に小さな穴をあけ、そこから出る樹液を集めて作られます。展示されていた木材には、その穴がそのまま残っている部分もあれば、木が時間をかけてその傷を覆っていったように見える部分もありました。

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上から3番目のちょっぴり左側の部分に注目!

木は人間の皮膚のように、傷を元通りに治すわけではありません。しかし傷ついた部分を内側に閉じ込めるようにして、その外側に新しい木部を重ねていきます

そう考えると、この穴の跡は単なる加工の跡ではなく、メープルの木が何年も生き続けてきた時間の記録のようにも見えます。普段スーパーで瓶を手に取るだけでは、なかなか想像しない部分です。

治癒力を持っているということは、メープルのミネラルについてどうなのか聞いてみたのをまとめてみました。

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血管に良いと説明していたので調べてみた

血管によいと言われる理由としては、主に カリウム、マグネシウム、カルシウム、ポリフェノール でカリウムは「塩分」、つまりナトリウムとのバランスに関わり、血圧管理と関係があります。カルシウムは血管の収縮・拡張に関わり、マグネシウムも血圧や筋肉・神経の働きに関係します。さらにメープルシロップにはポリフェノールも含まれますが、健康効果についてはまだ研究段階の部分もあります。

2024年の小規模な臨床研究では、軽い代謝リスクのある成人42人を対象に、精製糖の一部をメープルシロップに置き換えたところ、血糖反応、腹部脂肪量、収縮期血圧に差が見られたと報告されています。ただしこれは、メープルシロップをたくさん食べると健康になるという意味ではなく、精製糖の一部を置き換えた場合の研究として読むのが大事です。論文はこちら

メープルシロップは、ただ煮詰めるだけではない

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Diatomaceous Earth:日本語では珪藻土

別の展示ケースには、メープルシロップ作りに使われる道具が並んでいました。

白い粉のようなものは Diatomaceous Earth、日本語では珪藻土です。珪藻という小さな藻類の殻が長い時間をかけて堆積した、とても細かく多孔質な粉です。
日本ではこの珪藻土を使ったコースターや、バスマット、食器乾燥プレートなどに使われているのでご存じの方もいるかな?

メープルシロップ作りでは、食用グレードの珪藻土が、ろ過助剤として使われるとのことで、お店のスタッフの方の説明を聞いててわくわくしてきました!私が知っている珪藻土は顔のパックに使ったり歯磨き粉の原料として使っていたのに、ろ過助剤として使うなんてとても衝撃でした。

樹液を煮詰めていくと、sugar sand や niter と呼ばれる細かなミネラル分の沈殿物が出ることがあります。これが残ると、シロップが濁ったり、口当たりがざらついたりする原因になります。

珪藻土はフィルターの中で細かい層を作り、その小さな粒子を捕まえながら、シロップだけを通す手助けをします。

比重計、屈折計、温度計が並ぶ理由

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実際にファームで使用している道具が標本のように飾られているのも良いよね〜

展示ケースの中には、比重計や屈折計、温度計のような道具もありました。

細長いガラスの道具は Hydrometer、比重計です。シロップを入れたシリンダーに浮かべて、密度を確認します。

手持ちの小さな望遠鏡のような道具は Refractometer、屈折計です。少量のシロップをのせ、光の屈折から糖度を測ります。

メープルシロップは、ただ甘くなったら完成というものではありません。糖度や密度を確認し、必要に応じてろ過し、濁りや沈殿物がないかを見ながら仕上げていきます。カナダの Grade A メープルシロップにも、糖度や色、沈殿物がないことなどの基準があります。

こうした道具を見ていると、メープルシロップが農産物でありながら、かなり丁寧に品質管理されている食品でもあることが分かります。
日本でも買えるから。メープルシロップは重いし、お土産にはいらない・・なんて言わないでください。なんかとても悲しい😢😢
味、全然違うし!!

壁一面の森にも、ちゃんと意味がある

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木に繋がってるロープのようなチューブみえるかな?

店内の奥には、秋の森のような大きな壁面パネルがあります。これ、本当に綺麗。メープルファームに立ち入ることはフェスティバルの時などしか一般的ではありませんがこの紅葉と透明感のある壁はまるで森の中にいる錯覚を感じます。落ち葉もとても自然で、写真からでも自然のパワーを感じます。

説明を聞く前まで、ただのきれいな森の写真だと思って見ていたのですが、よく見ると木にタップが取り付けられ、そこからチューブが伸びています

昔ながらのイメージでは、木にバケツをかけて樹液を集める様子を思い浮かべる方も多いと思います。もちろんその方法もメープルシロップらしい風景ですが、現代の生産では、タップからチューブを通して樹液を集める仕組みも使われています。タップの穴は2インチ(約5cm以内)以上深く穴を開けてしまうと木が死んでしまうので、深く掘ればたくさん取れるわけではないし、たくさん1本の木に穴を開けることもしません。

この壁面は、単なる飾りではなく、メープルシロップが森から始まることを自然に見せてくれる展示でした。

ナイアガラ観光のお土産選びが少し楽しくなる

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お店の前にもメープルの木があるの

ナイアガラ・オン・ザ・レイクは、街歩きだけでも十分楽しい場所です。

歴史ある建物、花のある通り、ワイナリー、カフェ。どこを歩いても絵になるので、観光地として人気があるのも納得です。

その中で White Meadows Farms の Maple Syrup Store は、カナダらしいお土産を買えるだけでなく、メープルシロップがどう作られ、どう分けられ、どう品質を整えられているのかを少しだけ知ることができる場所でした。

メープルシロップは、カナダ土産の定番です。でも、今回のように製造の道具や木の跡を見てから選ぶと、ただの甘いお土産ではなく、森と時間と人の手がたくさん詰まったものに見えてきます。

ナイアガラ・オン・ザ・レイクを訪れる予定がある方は、街歩きの途中で少し立ち寄ってみると、お土産選びがより楽しくなると思います。

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