ナイアガラ観光で見たい電気の歴史とニコラ・テスラ像の話

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ナイアガラの滝に行くと、多くの人はまず滝の水量や霧、写真スポットに目が向くと思います。私も何度行っても、あの音と迫力には毎回足を止めてしまいます。

でも、カナダ側の Queen Victoria Park を歩いていると、少し不思議な銅像に出会います。細身の男性が立ち、片手に帽子を持ち、足元には大きな機械のような台座。これが、発明家ニコラ・テスラの銅像です。

テスラと聞くと、今はまず電気自動車の Tesla を思い浮かべる方も多いかもしれません。では、なぜその名前が車の会社に使われているのか。なぜナイアガラの滝にテスラの像があるのか。そして、エジソンとは本当にライバルだったのか。

この記事では、ナイアガラ観光のついでに知っておくと少し見え方が変わる、ニコラ・テスラとナイアガラの関係をまとめます。

ニコラ・テスラとは誰だったのか

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ナイアガラの水力発電所、1895年頃

ニコラ・テスラは、現在の電気のしくみに大きく関わった発明家・技術者です。特に知られているのが、交流電流、いわゆる AC の発展に貢献したことです。

私たちが普段使っているコンセントの電気や、遠くへ電気を送る仕組みを考えるうえで、交流はとても重要でした。ナイアガラ・パークスの公式紹介でも、テスラは交流の可能性を広く伝え、ジョージ・ウェスティングハウスとともに交流システムの普及に関わった人物として説明されています。

日本人にとっては、テスラという名前は少し遠い存在に感じるかもしれません。でも、ナイアガラの滝のそばで彼の像を見ると、急に話が身近になります。

滝はただの絶景ではなく、電気の歴史にも深く関わっている場所だったんです。

なぜナイアガラの滝にテスラ像があるのか

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滝の力を電気に変える場所だった

ナイアガラの滝は、観光地であると同時に、水力発電の歴史の舞台でもあります。

19世紀末、ナイアガラの水の力を使って電気を生み出し、それを遠くへ送る計画が進められました。当時の大きな課題は、作った電気をどうやって安全に、効率よく、離れた場所まで届けるかでした。

ここで重要になったのが、テスラとウェスティングハウスが進めた交流のシステムです。アメリカ・エネルギー省の解説では、1893年にナイアガラ・フォールズ・パワー・カンパニーが、テスラの多相交流誘導モーターの特許を使っていたウェスティングハウスに発電契約を与え、1896年にはナイアガラからの交流電力でバッファローが照らされたと紹介されています。

つまり、ナイアガラの滝は、自然の力が近代の電気社会へつながっていく象徴的な場所でもあるわけです。

カナダ側のテスラ像は、滝を見下ろすように立っている

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カナダ側のテスラ像は、Queen Victoria Park 内にあります。Tesla Memorial Society of New York によると、この像は2006年7月9日に除幕され、Horseshoe Falls を望む場所に立っています。像の足元は、交流モーターを思わせるデザインになっています。

実際に見ると、ただの人物像ではなく、台座まで含めてひとつの作品になっているのが印象的です。滝に背を向けて写真を撮るだけでなく、テスラの足元にある機械の部分まで見ると、この像が何を伝えようとしているのかが少し見えてきます。

彫刻家 Les Drysdale の紹介では、この作品は St. George Serbian Orthodox Church と Niagara Parks Commission による国際コンペを経て制作され、Victoria Park の滝を見下ろす場所に設置されたとされています。

エジソンとの関係は、単純な仲悪し話ではない

直流のエジソン、交流のテスラ

テスラを語るとき、必ず出てくるのがトーマス・エジソンです。

よく、エジソン対テスラという構図で語られます。たしかに、電気をどう送るかをめぐって、直流 DC を進めたエジソン側と、交流 AC を進めたテスラ・ウェスティングハウス側の対立はありました。これは英語では War of the Currents と呼ばれます。

ただ、ここを単純に、エジソンが悪者でテスラが正義という物語にしてしまうと、少し雑になります。

エジソンは直流のシステムを広げようとした実業家であり発明家。テスラは、交流の可能性を強く信じた技術者。2人は性格も考え方も違い、時代の中で別々の電気の未来を見ていた、と考えるとわかりやすいです。

ナイアガラで交流が大きく前に進んだ

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サー・アダム・ベック(SAB)水力発電所

結果として、長距離で電気を送るという点では、交流が大きな意味を持つことになりました。ブリタニカも、ウェスティングハウスがテスラの交流システムを使って1893年のシカゴ万博を照らし、その成功がナイアガラの発電機械設置契約につながったと説明しています。

ナイアガラのテスラ像は、ただ発明家を称える像というより、電気の歴史が大きく方向づけられた場所に立つ記念碑でもあります。

滝を見たあとにこの話を知ると、ナイアガラが少し違って見えてきます。水が落ちる観光地ではなく、水の力で都市が明るくなっていった場所。そう考えると、あの轟音にも歴史の重みが重なります。

電気自動車の Tesla は、なぜテスラという名前なのか

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テスラ

ここも気になる方が多いと思います。

現在の Tesla 社は、イーロン・マスクのイメージがとても強い会社です。ただし、会社の始まりを見てみると、Tesla は2003年に Martin Eberhard と Marc Tarpenning によって創業され、名前は発明家ニコラ・テスラに由来すると説明されています。ブリタニカの Tesla 社紹介でも、そのように整理されています。

つまり、イーロン・マスクが一人で思いついて名付けた、というより、電気モーターや電気の未来を象徴する名前として、ニコラ・テスラの名前が会社名に選ばれたと考えるほうが自然です。

電気自動車という商品に、交流やモーターの歴史と結びつく Tesla という名前がついている。そう考えると、街で Tesla 車を見るときの印象も少し変わります。

ナイアガラでテスラ像を見て、そのあと高速道路で Tesla 車を見かける。カナダ旅行中にそんな小さなつながりを感じるのも、ちょっとおもしろいところです。

アメリカ側にもテスラ像がある

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でっかいテスラ記念碑

カナダ側とアメリカ側は、別の像

ナイアガラのテスラ像は、カナダ側だけではありません。アメリカ側の Goat Island にも、ニコラ・テスラの記念碑があります。

Tesla Memorial Society の紹介では、Goat Island のテスラ像は1976年にユーゴスラビアからアメリカへ贈られたもので、クロアチアの彫刻家 Frane Krsinic による作品とされています。

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一方、カナダ側の像は2006年に除幕されたもので、Les Drysdale による作品です。つまり、同じテスラを扱っていても、作られた時代、国、贈り主、彫刻家、設置場所が違います。

だから、大きさや雰囲気が違って見えるのは自然なことです。どちらかが正しい、どちらかが本物という話ではなく、ナイアガラの両側がそれぞれの形でテスラを記憶している、と見るとよいと思います。

カナダ側は写真に撮りやすい

個人的には、カナダ側の像は観光動線の中でかなり見つけやすい印象があります。Queen Victoria Park を歩きながら、滝の写真を撮って、その流れで立ち寄れる距離感です。

像そのものも立体感があり、足元のモーターのような台座が目を引きます。人物だけを撮るより、台座と背景の木々、少し引いて全体を撮ると、銅像の雰囲気が伝わりやすいです。

ナイアガラ観光では、どうしても滝が主役になります。でも、こういう小さな歴史スポットをひとつ挟むだけで、旅の記憶が少し深くなります。

テスラの私生活は、噂よりも慎重に見たい

テスラは、発明家としてだけでなく、変わった人物として語られることも多い人です。

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晩年はニューヨークのホテルの一室で一羽の白い鳩を深く愛し、特別な絆で結ばれていたことで知られています。

生涯結婚しなかったことはよく知られています。また、晩年に白い鳩へ強い愛情を持っていたという逸話も残っています。ブリタニカは、テスラが結婚せず、白い鳩への特別な感情を語ったとされる話を紹介しています。

ただし、こうした私生活の話は、センセーショナルに書こうと思えばいくらでも書けてしまいます。ネット上では強い言葉で語られることもありますが、根拠がはっきりしない話を断定するのは避けたいところです。

この記事では、テスラを変人扱いするより、ナイアガラという場所と電気の歴史の中で見ていくほうが、旅行者にも在住者にも役立つと思います。

ナイアガラ観光でどう楽しむか

滝を見る前後に立ち寄るのがおすすめ

テスラ像は、長時間かけて見る場所というより、ナイアガラの散策中に立ち寄る小さな歴史スポットです。

でも、先に少しだけ背景を知っておくと、見え方が変わります。

この人の名前が、電気自動車の Tesla につながっている。
この滝の力が、かつて都市へ電気を送る大きな挑戦につながった。
エジソンとの対立も、ここでひとつの時代の流れになっていった。

そう思って見ると、銅像の前で撮る一枚も、ただの記念写真ではなくなります。

Power Station と組み合わせるとわかりやすい

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入場料は32ドルから

時間に余裕がある方は、Niagara Parks Power Station と組み合わせると、さらに理解しやすいです。ナイアガラ・パークスの紹介では、施設内にテスラ関連の特許展示があることも触れられています。

ただし、営業時間や展示内容、チケット情報は時期によって変わることがあります。実際に行く前には、必ず公式情報を確認するのがおすすめです。

無理に全部回るより、滝、テスラ像、発電の歴史を少しずつつなげて歩く。これくらいの見方が、初めてのナイアガラにはちょうどよいと思います。

まとめ

ナイアガラの滝にあるニコラ・テスラ像は、ただの銅像ではありません。

電気の歴史、エジソンとの電流戦争、交流システム、そして現代の Tesla という名前まで、いろいろな話につながる入口のような場所です。

滝の迫力を楽しむだけでも、ナイアガラ観光は十分に満足できます。でも、そこにテスラの話を少し加えると、ナイアガラが自然の絶景だけでなく、近代の電気社会を支えた場所として見えてきます。

観光で訪れる方はもちろん、トロント在住の方、留学やワーホリでカナダに来ている方にも、次にナイアガラへ行くときはぜひ少しだけ足を止めて見てほしい銅像です。

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